Webデザイナーはやめとけ!7年やって辞めた理由
私は30歳で7年間従事していたWebデザイナーを辞めた。
今回はそのウェブデザイナーを辞めた理由について書いていく。
技術的にやりたいことが無くなった
俺がWebデザイナーになりたいと思っていた22歳の頃はどんな技術でも面白そうでフラッシュサイトを作ったり、画像を加工してグラフィックデザインをしたりCSSで色々デザインをいじったりするのが楽しかった。
仕事でもプライベートでもひたすらサイトを作り続けてデザインやコーディングを楽しんでいた。
プログラミングにも興味が出てきてPHPやドットネットフレームワーク、SQLについても独学でやってサイトを動的に動くようにしてみたりした。
だが、最近はインターネットがスマホにシフトしたせいかモバイルファーストという考えが広がりレスポンシブデザインが主流になってきている。
これが全然面白くないのである。
スマホサイトを作り始めた頃はCSS3という新しい標準を学ぶのが楽しくて色々やってみたりしたが、結局ジャバスクリプトでほとんど制御できるしjQueryでいいじゃんって結論になる。
html5にしてみてもタグがいろいろ生まれたのだが結局headerタグとかfooterタグは使うけど、そんなに今までと大きく変わるということもなくすぐに習得してしまう。
Webの世界に俺が頑張って習得して新しいサイトを作りたいと思うようなものがなくなってきている。
レスポンシブデザインなんて何処のサイト見てもほとんど同じような感じのデザインばかり・・・。スマホで見ることを考えると似通ったものになってしまう。
ということで7年経つとこれどうやって作ってるの?とかこの技術を身につけたい!と思えるようなものが無くなるのである。
あと自分の限界を知ることになる。そこそこプログラミングが理解できるようになっても、あまりに複雑な内容は実装できないし、本業のDTPデザイナーのようなセンスのいいデザインも出来ないと自分の出来ることと出来ないことがはっきりしてくる。
おそらく30歳を超えたことによる老化というのも大きいと感じる。
確実に若さは失われて無理の効かない体になっていると感じる。それにより新しいことへの挑戦意欲が減っているのかもしれない。
クライアントの要求が全て
有名なデザイナーとかで名指しで発注が来るようなレベルの人間ならデザインに口を出すな!とか言えそうだけど弱小のWebデザイナーはクライアントの言いなりになるしか無い。
色々と話し合って決めたデザインであっても最終的にクライアントの会社のお偉いさんが出てきてどんでん返しを食らわせるなんてことがよくある。
ここ変えたら全体のバランス崩れるからほとんど一からやり直しじゃねえか!ってことばっかりなのでやってられない。
最初は超かっこいい感じだったのに最終的にあれ?こんな変なサイトにしたかったんだっけ?ってなったりも・・・。
字がちっちゃ過ぎて絶対見えねえだろ・・・とかいろいろあとづけしすぎて、なんか「これ意味あるのかな?」って言うようなナビゲーションになっちゃったり・・・。
色んな案は出していて、ここをこうするとこうなりますよって言っても結局は自分を殺してクライアントの要求通りに作ることになる。
そんな仕事ばかりしていたらいいものを作ろうという気がなくなってきちゃった。
給料を上げるためにはディレクターになる必要がある
更にWebデザイナーとして会社で働いていると給料が上がらない。
何年もやってると基本給がちょっとだけ上がったりするけどやっぱり役職がないと給料は上がらない。
ウェブディレクターという肩書になって給料がドンと上がったもののWebデザイナーを管理する立場になり、基本的に客との会議で決まったことを外注先に伝えてスケジュール管理したりする仕事がメインになってくる。
俺が憧れてやりたいと思っていた仕事ってこんな仕事なんだっけ?って疑問を毎日抱えることになる。
スケジュール管理とか資料作成とかは基本的に作ったあとは順調に進んでいるかを確認するだけなのでほんとにつまんない。だけど給料は上がった。ものすごいパラドックスを抱え苦悩する。
Webデザイナーを続けるには?
この記事のまとめを書くがWebデザイナーに憧れてこの業界に入り自分の腕を上げWebデザイナーを続けながら給料を上げてやりがいを持って働く方法はズバリ、フリーランスになることだろう。
ランサーズなどのウェブサービスを使えば確かな腕さえあれば案件を勝ち取ることが出来る。腕を上げればコンペに勝てるようになっていく。(上位のフリーランサーですら提示した案件の9割がボツになる厳しい世界ではあるが)
会社員として安定したWebデザイナーとして働くか、それとも仕事を勝ち取りやりがいを自分で作るのか?決めるのは自分自信だ。
ただ、いきなり会社辞めてフリーランスになっても中々クラウドソーシングで案件勝ち取るのは難しいし入金まで時間がかかる可能性があるのでこっそり休みの日に副業から始めることをおすすめする。うまく軌道に乗りそうなら独立すればいい。
【追記】Webデザイナーになるなら今が始め時だと思う理由
最近、フロントエンドエンジニアとして大阪にあるWeb制作会社にて派遣社員として働き始めたのだが実に3年と半年ぶりぐらいのオフィスワークとなる。
私が3年半前に東京のWeb制作会社でウェブディレクターを辞めた理由は前に書いたので割愛するが大きな理由がなんかWebの世界の発展が段々止まってきたように感じたからである。
HTML5やCSS3が出てきたけど結局jQueryでええやんみたいな感じで技術的に楽しさを感じることが減ってきたように感じていた。
それが3年ぶりぐらいにWeb制作会社で働き始めるとだいぶWebの世界が広がっていたことに驚いたのでちょっとそのことについて書いていこうと思う。
IEのシェアが下がって対応しなくて良くなった
これが近年の最大の変化だと思う。数年前、私がまだ某大手ディベロッパーのキャンペーンサイトを作っていた時にはまだIE6の動作検証が必要だった。
サポートの切れたXPを載せたPCでサイトを確認しながら作業をすすめるという最悪な仕事がまだあったのだ。
その為、CSS3などもちろん使えず、jQueryでも動かないとかそんなことがあり、わざわざIE用にCSSを用意したりするのが当たり前の時代であったのだ。
それが今ではIE6などもう完全に絶滅して対応無用となっており、なんならうちの会社ではIE11以外のIEは基本対応しないことになっている。今後はIE11も対応ブラウザから無くなるだろう。
CSS3でIE11でも動かないというものがいくつかはまだあって、早くIE滅びろと願う日々なのであるがそれでも数年前に比べると本当にWebデザインの仕事が格段に自由になったと感じている。
今後は積極的にCSSのアニメーションを利用してサイトを作っていくことになるだろう。そうなれば今までjQueryが当たり前だった事が全部CSSで出来るようになり軽くてリッチなサイトがいくらでも作れるようになるだろう。
私が昔このウェブ業界に入ってきたきっかけとなったフラッシュサイトのようなものがCSSだけで作れるようになる可能性を考えるとワクワクが止まらないと感じる。
画像がSVGになり始めた
これもかなりこの数年で大きく変わったところだと思うが前はサイトで使う画像と言えばJPEGが当たり前で、たまにGIF、新しいサイトでPNGと言うような感じだった。
それが今やマルチデヴァイスでのサイト作成が当たり前となり、更に解像度の高い4Kのモニター、iPhoneやMacなどのRetinaディスプレイ対応で荒れてしまう画像を使わずにベクター画像であるSVGをサイトに取り入れる事が多くなってきた。
SVGのいいところは面倒なピクセルパーフェクトの概念が無くなったこと。デヴァイスによって大きさが変わっても見え方はどれでもキレイと言うのがとても素晴らしい。
あとはCSSやJSを使って自在に動かす事のできる画像であるというのも素晴らしい。上に書いたCSSのアニメーションを使えば誰にでもSVGを使ったアニメーションを作れるようになり表現の幅が大きく広がった。
SVGを使ったサンプルの数も数年前より物凄く増えていてそういうのを見ているだけでもワクワクしてくる。
今後はもっとSVGが当たり前に使われるようになっていくだろう。
Webのリテラシーが上がり始めている
私が数年前働いていた頃は営業の人間を始めとしてWebのリテラシーがとてつもなく低く、こんなこと出来るわけがないしこんなことをして誰が喜ぶのか?と営業が取ってきた仕事に対して完全にブチ切れそうになって実際に上司とガチ喧嘩に発展したことがある。
内容としては明らかに無茶苦茶重いグラフィックを使いまくり、スマホでアクセスしてもまともに動かないようなサイトを意味がわからないほどタイトなスケジュールでやらされるというもので結局徹夜に次ぐ徹夜で完成させたが利用者は身内だけという本当に最悪な仕事であった。
ユーザビリティーやUXの概念がほぼ浸透しておらず、SEOってなんじゃそりゃ?とりあえず動きが派手なサイト作ってりゃユーザー喜ぶんでしょ?みたいな需要を無視したサイト設計となっていたのが昔のサイト作り。
今ではサイトを使ってどれだけ反響を得ることが出来たか?ということをサイトのゴールとしてバズを生み出す仕組みを作ったりSEOだったりSEMだったりという言葉が一般的に認知されるようになった。
周りの人が大体こういうWebについての共通認識を持っていると仕事がとてもやりやすい。「レスポンシブで作ったときのブレイクポイントはどうしますか?」と聞いてすぐに「タブレットはいいからスマホ480ピクセルで作って」とか返ってくるのはノーストレス。
昔はいちいちレスポンシブとは?から聞かれてたからな。レスポンシブル?とか聞かれてマジでイライラしてた。
ツールも超使いやすくなってる
あとは昔は色々カオスだった事がだいぶ標準化されてるってのも大きい。
エディタに関しても秀丸を使ってる人がいれば、サクラエディタだったり私の場合はTeraPadを使っていたりしたしデザイナーはドリームウィーバーで変なテンプレート作ってたから他のエディタ使うと意味わからないタグだらけだった…。
それが今では大体の人がVSCodeを標準で使ってる。
他にもCSSの作り方も乱立していてSCSSだったり、CompassだったりSassだったりもうどれ使えばいいの?って感じだった。
PHPでの開発も昔は自分でアパッチをインストールするところから始まってポスグレを使うのか?それともMySQL使うのか?もう色々ありすぎてやることが多すぎた。それが今ではXamppいれとけばすぐ開発が進められる。
バージョン管理も今はGitで統一が進み、Subversionは絶滅した。
本当に数年前と比べて天国のように環境が整っているのである。
Webデザイナーになるなら今が始め時!のまとめ
今こそWebデザイナーを始める時だととても強く感じる。
私はWebの世界がまだカオスだった時代に非常に苦労して無駄なことを頑張って来たが今はもうそんな無駄なことを頑張る必要は何もない。
新しい標準技術となったHTML5とCSS3を使いこなし手軽にアニメーションを作り出し、クリエイティブなウェブサイト作成を誰でも行える様になった。
コーディングも昔のようにひたすら手打ちで頑張らなくてもEmmetを使えば圧倒的時間短縮してコードを書くことが出来る。
ブラウザの進化も行き着くところまで行ってるんじゃないか?と思うほど進化しており、ブラウザだけでサイトを開発することも出来るように感じている。(最近はある程度コーディングしてあとの調整はほぼインブラウザで行っている)
Figmaなどのフリーで使えるツールも普及し、完全に有料ソフトの出番がないぐらい無料ソフトだけでウェブデザイナーが出来てしまう。(まだPhotoshopやIllustratorなどのAdobeにはお世話になっているが)
今後はAI(人工知能)によってもっとウェブ制作が楽になり、人間は面白いアイデアを生み出すことに集中することができるようになるだろう。
おそらく昔のようなコーダー的な人間は仕事が無くなるだろうが面白いアイデアを形にできる人間には非常に明るい未来がWebの世界には広がっていると感じる。
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