Webデザイナーのキャリアプランを考える
ウェブデザイナーも長くやっていると自分はどうなればいいのかに迷い始める。
このままフロントエンドをやればいいのか?ディレクターになったほうがいいのか?転職して別の分野に行ったほうがいいのか?道がわからなくなることもあるだろう。
そこでここではウェブデザイナーのキャリアプランを考えてみる。
一生ウェブデザイナーの場合
一生ウェブデザイナーで生きていくことは可能だ。Webの仕事はいくらでもあるし、今後もIT化が進めば進むほど新しい仕事は増えていく。
AIが仕事を奪うというがIT分野は最後までAIに仕事を奪われない分野だと思っている。なぜならすでにシステム化が進んでいてこれ以上システム化しづらいからである。士業などまだまだシステム化が進んでいない分野がどんどんAI化で仕事が減っていく。
ということで、恐らく我々が死ぬまではウェブデザイナー、フロントエンドエンジニアの仕事はいくらでもある時代が続くだろう。Web制作を行える人の数は人口減少と共に減るため、人手不足が深刻になることを考えると60歳でも70歳でも仕事をしようと思えばいくらでもあると考えられる。
ただ、問題はウェブ制作の単価が雇われである限り安いということである。フロントエンドの仕事はシステム開発などに比べて単価が低い場合が多く、ウェブデザイナーの賃金は中々上がりづらい。
特にコーダーなどのオペレーター要員に関してはWeb業界でも底辺の給料になってしまい、正社員でも月給30万円程度が上限となってしまうだろう。
一生ウェブデザイナーを続けることは可能であるが給料的にはWeb業界の底辺で生きていく覚悟が必要だと言える。
常に最新の技術にも敏感になっておく必要があり、新しいWeb標準技術があれば学び続け、それを使いこなせなければならないので本当に好きな人しか続けられない仕事ではあると感じる。
ウェブディレクターの仕事
Webデザイナーのキャリアプランとしては出世してディレクターになるというのがかなり一般的。時には新卒でWebディレクターになる場合もあるが、かなり色々な知識を求められるウェブディレクターが新卒に務まるとは思わない。Webデザイナーのキャリアもないようなウェブディレクターはただの営業と言ってもいいだろう。
ウェブディレクターの仕事はお客さんのところへ行ってどんなサイトを作るのかを聞いて、ワイヤーフレームを作ったり、プロトタイプを作ったり、デザイナーに仕事を振ったり、進捗管理をしたりする総合的な管理の仕事となる。
私も1年ほどウェブディレクターをやっていたことがあるが、基本的に客に言われた内容を噛み砕いで下請けの制作会社に内容を伝え、デザインを発注し、デザインが上がってきたら社内のコーダーにコーディングしてもらったり、外部のスタッフにコーディングしてもらったりして完成したら納品するという感じだった。
主に仕事は進捗管理であり、トラブル処理である。ウェブ制作の仕事の一部ではあるが、正直手を動かす作業というよりも色々な方面からの情報を処理して上手く仕事が回るようにするマネジメント職と言ってもいいだろう。
一応オペレーターのような作業員ではなく、上級職なので給料は少し上。ウェブデザイナーが月収30万円ならディレクターは35万円って感じの給料がもらえる。
同時に何案件も回さなければならないことも多く、忙しい仕事ではあるが慣れれば暇になってきて楽になる。
この仕事もWebデザイナーやフロントエンドエンジニアのように常に最新のWeb標準技術を追い続けなければならず勉強が必須の仕事だが、知っておくだけで良くて実際にその技術を使いこなさなければならないのは下請けの会社だったり、社内のエンジニアなので新技術を実装レベルまで使いこなす必要はない。
私の会社の上司なども常に新しい技術をクライアントに紹介して提案し、仕事を受注していたがその上司はプログラミングをしなくなって10年以上経っており、自分では作れないと言っていた。それでもプログラミング経験があればどういう技術なのか大体分かるので提案したり、エンジニアに作らせることは可能となる。
新しい技術について学ぶのは好きだけど、もう実際に作るのとかしんどいという人はウェブディレクターやSEのような提案や管理を行う上流の仕事を目指すとよいだろう。
ウェブマーケティングの仕事
Web業界には制作の仕事以外にもWebマーケティングの仕事があり、こちらはウェブサイトの運営の仕事である。
ウェブサイトを作る会社はたくさんあってウェブサイトを持っている会社も今ではほぼ100%となっているが、Webを活用できている会社は少ない。Webをツールとして100%活用し、Webからの売上を増やすにはWebマーケティングの知識が必要となるが、Webマーケティングの知識を持つ人はそれほど多くなく、大企業でもWebの運用が全く出来ていない事がある。
そんな大企業のWEBの運用を担うのがWebマーケターとなる。
どういう仕事かと言うと、まずアクセス解析を行い問題点を洗い出し、どうすればWebの有効活用が出来るかを提案する。コンテンツ不足ならライターを手配してコンテンツを増やす必要があるし、サイトのIAに問題があればサイトの設計から作り直す必要がある。そういった提案をしていくコンサルタントのような仕事がWebマーケターである。
Web運用の総合的な力が必要とされているのでWebデザイナーの仕事の延長か?と言われると疑問なところもあるが、ウェブデザイナーでも社内の運用を任される社内ウェブ担当のような働き方をしている人ならこういったマーケティングの知識は溜まりやすい。社内WEBデザイナーの上級職がWebマーケターと言えるかもしれない。
私の場合も社内Webデザイナーとして1年ちょっと働いたことがあり、その時にアクセス解析を使って分析作業を学んだり、セプテーニなどのSEO会社と連携してサイトのアクセスアップを行ったりしていたため、Webマーケティングの知識はかなり溜まったのを覚えている。
意外とウェブ制作会社でもこういったマーケティングの知識がないところがあったりして、部長レベルの人に、クライアントからアクセスを増やせと言われてるんだけどどうやればいいの?って聞かれたりすることがある。共起語やサジェストすら聞いたことがないというレベルの人もたくさんいる。
ということで、Webマーケティングの仕事は今後も求められる事が増えていく仕事だといえるのでWebデザイナーのキャリアプランの一つとして知っておくと良いかもしれない。
Webデザイナーのキャリアプランについてのまとめ
ウェブデザイナーという仕事を長く続けていると将来どうなるのかちょっとキャリアプランに危機を感じたりする。
Webの世界は常に新しい技術が生まれては消えていき、私がウェブデザイナーを始めた2007年当時とは技術的には全く違う世界になっていると言える。
2007年当時はまだテーブルで作られたサイトもたくさんあったり、flash全盛期だったり、IE6が主要なブラウザだったりしたが、今はスマホの時代になり、IEは死に絶えChromeの時代になっている。flashも消えてjavascriptの時代になっているし、本当に10年ちょっとで世界がガラッと変わっている。
今後もWebの世界は進化を続けていくと考えられるが、恐らくこの10年ほどの変化は無いと感じる。どんどん新しい技術は生まれるが基本的にワードプレスは10年後も主力のCMSであり続けるだろうし、htmlとかcssも今の知識が使えなくなることもないだろう。
SassとかDockerとかgulpとか今後もどんどんとWeb制作では色々な技術が生まれていくので新しいもの好きにはたまらない世界だと思う。
ただ、30歳半ばになり、私のように正直しんどいと思い始めた人はこのページを参考に今後のキャリアプランを考えてみてもよいだろう。
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